繋がっていた唇が離れる。
実際に繋がっていた時間は一瞬と呼べるほどのものだったが、体感的にはとても長く感じた。
真っ赤に染まった顔をしながらコレットが見上げてくる。
そんな彼女をずっと見ているのは精神的にとても良くないと判断したロイドはコレットの後頭部に手を回しそのまま自分の胸へと引き寄せた。
初めてした行為なだけにコレットがどう感じてくれたのかが気になるのは仕方ないというもの。
大きな不安と少しの期待を織り交ぜながら彼は彼女に問う。
「その・・・・・・・どう・・だった?」
ふぇ!?っと引き寄せた彼女が驚く。無理もないとロイドは思う。お互い初めて(?)だろうしその感想を面と向かって言うのは恥ずかしいのだ。
ぼそぼそと蚊の鳴くような声でコレットは告げた。
「よく・・・わかんない」
良い意味でも悪い意味でも裏切れられた。しかしわからないというのはどういうことなのだろうか。
「わからないって・・・なんで?」
「なんか・・・・ね?その・・・・・ふわーって」
「ふわー?」
「え、えと・・・だから!こう・・・・・気持ちよく・・・なっちゃって」
その言葉を聞いた瞬間に嬉しさに顔が緩む。そしてぎゅーっと抱きしめた。
「ロ、ロイド!?」
「バーカ、お前可愛すぎ・・・。」
そういって彼女の体を抱きしめる。抱きしめた瞬間に香る彼女の優しい匂いに包まれる。
コレットもロイドの胸にしがみついていた腕をそっとロイドの腰にまわす。
「なぁコレット」
問いかけながら抱きしめていた体を離す。
「ん・・・なぁに?」
「これからはさ。ゆっくりいこうな」
え?と彼女は驚いた顔をする。
「今まではさ、めまぐるしくてあっという間に過ぎちゃったじゃんか」
「そうだ・・・ね。ごめんねロイド。あんなことに巻き込んじゃって」
バーカと言いながら軽くコレットの額を小突く。
「俺が好きで巻き込まれたんだ。お前がそんなこと言うのは間違ってるぜ」
ロイド達は引き裂かれた二つの世界を元通りにした。世界統合―――そう呼ばれた。
そこにたどり着くまでの彼と仲間達の旅はとても一日で語りつくせるものではない。
何度も何度も、困難に立ち向かい打ち破り、そして成し遂げた。
こうして歪んだ二つの世界はもとの形に、あるべき姿へと戻った。
最初は混乱が人々に現れるが最近はやっと表面上は落ち着いてきたように見える。
ロイドとコレットもまたあの穏やかな世界へと戻ってきていたのだ。
「で、だ。俺はエクスフィアを回収する旅に行かなきゃならない」
「うん、クラトスさんと約束したんだよね」
「ああ。・・・ってお前ともだぞー!コレット、一緒に行くんだから」
「・・・・・うん!そだね」
明るい笑みが彼女の顔に浮かぶ。やっぱりコレットは笑った顔が似合ってる。
「でも急ぐ必要はないと思うんだ。エクスフィアの数はきっと数え切れないし・・・何より俺達にはさ、まだまだいっぱい時間があるじゃん」
「そだね・・・これからは私達も自由に過ごせるよね」
「だからさ、エクスフィアだけじゃなくて・・・その・・・」
突然歯切れが悪くなってコレットが見つめてくる。
「エクスフィアだけじゃくて・・・なぁに?」
「・・・・・・コレットととも焦らずにゆっくり進んでいきたいなーって」
言いながら顔に熱が帯びるのがわかる。さっきキスしたときよりも赤いかもしれない。
「・・・えへへっ。ありがとねロイド。」
今度はコレットが抱きついてくる。彼女の両手が首にまわされてお互いの頭が密着する。
「そだね。私達なりに進んでいこうねロイド」
密着していて顔を見ることは出来ないけれど、その顔をはきっとあの笑顔が浮かんでいるんだろう。
「おう!だから・・・よろしくなコレット」
返事と共に抱きしめ返す。
これは彼らの未来への初めの一歩。
「でもロイドとならゆっくりじゃなくても・・・いいよ?」
「ええっ!?」
「ふふっ冗談だよ。ねぇロイドお出かけしない?私ちょっと買いたいものがあるんだ~」
「おっおう、・・・じゃあいこうぜ」
狙っているのか天然なのか・・・きっと自分の発言にどれだけの意味がこめられてるかわかってないんだなと思いつつロイドはコレットと並び、歩き始めた。
あとがき
最初はイチャイチャ、後でほのぼのを目指しました・・・がどうなっているやら。
最後のオチはスルー推奨ですw
結局ロイドとコレットの仲が発展するのはやはり世界統合後だと思っている。