心地よいあたたかさ

風が吹いている。

穏やかでやさしい風。

ぽかぽかとした心地よい天気。

朝と呼ぶには遅く、昼と呼ぶには少 し早い時間。

特にやれることもなくボーっと町を行きかう人を眺める。

気を抜けばすぐにでもまどろんでしまいそうな状況。

疲 労が溜まっているからか、睡魔が誘惑を始めてきた。

けれどここで眠りに身を任せるわけにはいかない。

なんていうか待っている 間に眠ってしまったら彼に多分気をつかわせてしまうから。

そんなのは望んでない。

ただでさえ2人旅。

町にたど り着くのにも何日もかかる。

野宿なんてのは特に珍しいことでもない。

その時は寝ずの番をいつもしてくれる。

私 も―と申しでてはみるものの、

「コレットは女の子なんだから、寝なきゃ駄目だろ。」

と言われてしまう。

頼りに されていないような考えに至るけれど純粋に心配してくれていると思った。

ぶっきらぼうな言い方の中は彼なりの優しさが隠されていたから。

だ からこそいつも無理をさせている彼に心配をかけたくなかった。

 

 

今彼は町の商店を見ているはずだ。

な んでも武器屋で剣の手入れに使うものを買うらしい。

すぐ済むから、なんて言って突っ走ってしまった。

行動力があるのはいいけれどもう少し待って欲しいと思う。

け ど周りを気にするロイドって・・・・・・ロイドじゃないよね。

そう思う彼女は静かに微笑んでいた。

 

「ロ イド・・・早く戻ってこないかなぁ・・・・・」

 

 

 

2人がエクス フィア回収の旅に出てそれなりの時間が経っていた。

やっと二人旅にも慣れてきていたところ。

エクスフィアは 少しづつだが回収することが出来ている。

まぁ実際にはまだまだなのだが時間ならいくらでもある。

のんびり やっていこう、というのが二人の共通の考えのようだ。

今二人は久しぶりに町に訪れていた。

 

 

 

 

 

い かん、いかん。この人混みにはほんとに参った。

店で諸々の道具を買ってすぐコレットのトコにもどるはずだったのにこの人混みだ。

やっ ぱあれだな。回り道すれば逆にいけるんじゃね?的な事を考えて人混みを避けたせいで迷ってしまった。

急がば回れは間違いだったの か・・・としみじみ思う。

しょうがないから来た道を戻り人混みの中を潜り抜けてやっとこさコレットと別れた場所に戻ってきた。

だ けど彼女はいない。

「あれ・・・?コレット?おーいコレットー?」

と呼びかけながら辺りを見回すと見慣れた 金色の髪が見えた。

どうやら近くのベンチに移動して待っていてくれたらしい。

「ゴメンなコレットー。人混み が凄くて・・・・よ・・・・・・。」

眠っていた。静かに、穏やかに。

近づいてよく見てみる。

改 めて、可愛いと思う。

なんていうかまじまじと寝顔を見るのが久しぶりな気がしてどぎまぎしてしまってる自分が居る。

最 近は野宿も多かったからなーと思い返しそうになって慌てて止める。

その時にも寝顔ぐらいは見ているのだが自分の欲望に負けないため に努めて見ないようにしている。

寝顔+普段は見ることが出来ない見ない腕や足の素肌がどれがけ 思春期の男子に悪影響なのか彼は十分に痛感していた。

けれど今はそんな欲望は影も形もない。

なんというか幸 せそうなコレットの寝顔は見てるこっちが癒される。

 

が、ここでずっと寝ているわけにはいかない。

こ の幸せそうな寝顔を壊すのは大変不本意なのだがやらないと。

「コレット!コレット!起~き~ろ~よ~!」

「う・・・? ん・・・?ろい・・・ど・・・・?」

「ゴメンな。遅くなっちまった」

「うん・・・いいよ・・・・ ふぁ・・・・・うー」

眠そうに瞼をこするけれどまだまだ半覚醒状態といったところ。

なにか起こす秘策はない ものか・・・と考えてみる。

・・・・うん。たのしそ・・・もといこれなら効くだろう。

いまだに睡魔と格闘し ている彼女の耳に近づいて、

「寝顔・・・可愛かった」

と言いながら彼女の髪をかきあげ耳の裏側に息を吹きか ける。

と、彼女がビクッと震えてこっちを振り向く。

「なっ・・・に・・・するのロイド・・・」

と 赤く染まった顔で睨まれる。正直可愛いだけなんだが。あーやばい抱きしめたい。

本能に何とか蓋をしてコレットの頭を撫でる。

「だっ てコレットが眠そうだったしー」

「ううっ・・・・・・ごめんね。あったかくて気持ちよくって・・・・これでも頑張ってたんだよ!」

「わ かったわかった。ほら、行こうぜ」

手を繋いで一緒にベンチから立ち上がる。

「それに・・・・寝顔・・・・っ て・・・・」

あ。ちょっとしたいたずら気分だったけど結構とんでもないことを言ったのではないかと今更ながらに気づく。

は ぐらかしてもしょーがないかと思って、

「あー・・・・・・・ロイド・アーヴィングからの素直な気持ちでした!以上!」

と 頭をかきながらやけくそ気味で答える。

チラッと彼女の顔を見ると恥ずかしそうに、嬉しそうにはにかんで

 

「・・・・・ ロイド顔赤いよ?」

「お前もな」

 

お互いが照れながらも繋いだ手は離れない。

グ ローブ越しのぬくもりを感じながら歩いていく。

心地良いあたたかさに包まれた二人の日常。

 

 

 

 

 

 

後 書き

初作品です。目指したのは唯一つ「ほのぼの」です。

これからもジャンルは増やしていくつもりですが初作 品はほのぼのと決めていました。

上手く表現できたかはわかりませんが・・・これから精進します。